水子という呼称(石村)

水子という呼称(石村)
以前、日本民俗学というのに興味があり、本を探しては読んでいたことがあった。中絶・死産・流産や幼い者の死について書かれていた内容で記憶に残っていることがいくつかある。記憶にあやふやなところもあるが思う出すままに書いてみたい。①江戸時代、日本では中絶が広く行われていたこと。実際に新生児を菰(むしろ)に巻いて川に流していたこと。その行為を「赤子を水にする」と呼んでいたこと。だからその子を「水子」と呼ぶこと。②「七歳までは神の内」という言い方があり、赤ちゃんは神の世界から来た存在で、だから幼いうちは容易にあちらに戻り得るものだ、という、子を亡くした親にとっての納得の仕方が用意されていたこと。③中絶した子を手厚く葬るという行為は一般的に行われてきたことではなく、いわゆる水子供養と呼ばれる行為は戦後の高度成長期にある寺院が始めたものが広まったもので、歴史は浅いこと。
どれも自分が経験して知っている日本のイメージの修正を迫るもので驚きを禁じえず、それゆえに記憶に残っている。

石村修善

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